現代インドとカーストとの軋轢
現在でも、保守的な農村地帯であるパンジャブ州では、国会議員選挙に、大地主と、カースト制度廃止運動家が立候補した場合、大地主が勝ってしまうという。現世で大地主に奉仕すれば、来世ではいいカーストに生まれ変われると信じられているからである。このように1950年のインド共和国成立によるカースト全廃後もカーストは生き残っており、それがインドの発展の妨げになっているという声もインド国内にて聞かれる。
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特に児童労働問題やストリートチルドレン問題は、インドにおいては解決が早急に求められるまでになっている。なぜなら、児童労働従事者やストリートチルドレンの大半は下級カースト出身者が圧倒的に多い一方、児童労働雇用者は上級カースト出身で、教育のある富裕層が大半である、と報告されるからである。しかも、このように子供を売春や重労働に従事させて、警察からの摘発を受けて逮捕されても、逮捕された雇用者が上級カースト出身者であったがために無罪判決を受けたり、酷い物になると起訴猶予や不起訴といった形で起訴すらもされない、という報告もある。インド国内の刑務所内の受刑者の大半が下級カースト出身者で占められている、という事実からも容易に窺う事はできる。カースト特有の理不尽性が、このような格差を未だに残している。インド政府は近年児童労働の禁止やストリートチルドレンの保護など、抜本的政策を打ち出し実行に移したが、そのいずれもが1990年代後半に入ってからで、インド政府の対応が後手に回っている、という実態を浮き彫りにした。